"When you know what you do - you can do what you want" Moshe Feldenkrais これはフェルデンクライス博士の言葉です。彼の著書を読むと輝くようなとでも形容したい言葉が多くあります。しかし、私はこの言葉が一番好きでです。そして、フェルデンクライス・メソッドとのお付き合いもここから始まりました。 床に横たわって身体をあずけ、呼吸を感じじてみると、「ああここが動いてる」「ここはなんで使っていないのだろう」などそれだけでもいろんなことに気がつきます。そんなことは、これまで必要も感じなかったことであり、意識さえしたことがありませんでした。 私の先生の一人であるジェリー・カーズン氏は、このメソッドを 「いつも右足からはいている靴下を左足からはいてみるようなもの」 というように表現しました。レッスンのさまざまな動きをとおして、自分の身体について気づいていくこと、自分のやっていることを感じること。簡単なことですが、やはり難しい。 はじめて床で自分のわき腹のあたりが、かすかに床を押しているのを意識した時から、かなりの時間が経ち、今では前と違った部分が床を押しているようです。そして、明日はまた変わっているかもしれません。しかし、もっとも変わったのは、私の脳がより正確に自分のやっていることを感じていることです さっきの英文を訳すと「あなたが何をやっているかがわかれば、あなたのやりたいことができる」で良いのでしょうか。私はそのように受け取っています。 自分自身のやっていること、そして教え始めてからは生徒の動きを見ながら、つくづく「人は自分のやっていること」を十分に把握しているわけではないことがわかりました。 そして、この言葉のめざすところは、さまざまな優れた体術やトレーニング・メソッドのめざしているものとも共通していると考えています。 ただ、今の私にとっては、「自分が何をやっているか」に気づく手段としてフェルデンクライス・メソッドが最適だと考えているのです。
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